山崎先生の
デザインにおいて、共通のアプローチやメソッドからは共通のアウトプットが生まれる。
だから、個人のアウトプットのオリジナリティはその人のオリジナルのメソッドによって作られる。
という観点からプロのデザイナーがどのようにそれぞれのメソッドを実践して、どんなアウトプットを残しているかを学び、最終的にオリジナルのメソッドを考えて、それに基づいたアウトプットを制作します。
確かに、有名なデザイナーとかオリジナリティのあるデザインをする人というのは独自の方法論みたいなのを持っているような気がするし(最近そういうことを書いた本もよく売ってますね…)言われてみても意外な感じはしないけど、意識してメソッドとかを作ろうとしたり、オリジナリティをメソッドから求めたことはなかったなという気がします。なんとなく、メソッドの後(もしくは前)にオリジナリティがあるようなイメージだったというか。
ということで1回目は自己紹介も兼ねて、山崎先生のこれまでのプロジェクトの紹介。
先生は大学卒業後、クリナップという会社からIBMに転職し、現在は千葉工大で教授をなさっています。プロダクトからパッケージ、ソフトウェアまでいろいろおもしろいプロジェクトをなさっていて、興味深かったです。あと社会人大学生も10年近く経験していたらしく、柔らかい顔つきの割になかなかパワフルな方です。
それでIBMでの話が結構興味深くてIBMでは依頼が入るとその内容に応じて、世界中から様々な専門分野・国籍・年齢の人たちが集まってプロジェクトチームを作って問題解決に当たります。だから、共通のプロセスとかメソッドがないとコラボレーションすることが出来ません。ということで、プロジェクトチームのメンバーを選ぶときにはある問題に対するプロセスやメソッドの習熟度・経験で選ばれるそうで、国籍や年齢は関係ないそうです。それから、そういうメソッドとかの方法だけではカバーできない部分、センスとかエモーショナルな部分、も重視していてそういうところの判断は信頼できるデザイナーに協力してもらうそうです。ポール・ランドとかリチャード・サッパーとか。
そういう経緯があって山崎先生はデザインのメソッドやプロセスというのを重視しているんですね。
あとは、どのプロジェクトもおもしろかったのですが、長くなるので気になったフレーズだけを記しておきます。
- ユーザ調査などのデータはvizual化してこそ情報としての意味がある。それも情報デザインの仕事のひとつ。
- "あー、そうだよね" という感覚がデザインにあるとユーザが共鳴できる。でも、露骨だとユーザの想像を許さないから駄目。
- Out of Box の Experience デザイン。
- Context(Content?) と Formの関係を作ることがDesign だ。 -ポール・ランド
最後に授業の終わりのワークショップについて
デザインのアプローチには2通りあります。形から考え始める場合とユーザの生活シーンから考え始める場合。形から考えるだけでは考え至らないデザインもあります。
ということを体験するものでした。
ユーザ視点で考えることが大事。
ということ以上に個人的に感じてしまったのが、生活シーンからプロダクトやサービスまでを志向する意識が薄くなっているということでした。
というのも、僕は結構微妙な学科/専攻に属していてデザインだけを専門的に学んでいるわけではなく、学年があがるにつれてデザインのプロジェクトよりもエンジニア的な研究とかリサーチのプロジェクトを行うことが多くなっていました。
で、他の学生は基本的にバリバリプロダクトデザイン専攻で、ちょっとしたワークショップですが、何かモノを提案しようという貪欲さとまではいかなくても、志向を少し感じたのでした。
似たようなことは最近行ってるインターンでも感じたんですが、いろんな側面があるとはいってもやっぱりデザインを仕事にしていきたいなら、もう少し製品・サービスへの志向というものを持たないと駄目だなあと感じました。
あと今回の授業で出た参考書籍(たぶん…)↓
"ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」"
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