2008年11月2日日曜日

情報デザイン特論③

3回目。ペルソナという手法とプロダクトデザイナーのリチャード・サッパーの話題を中心に。


ペルソナとはデザインや企画においてその対象ユーザを理解、明確化する手法の一つです。



←対象ユーザの理解、明確化はユーザの満足や体験という視点からのデザインのアプローチ(人間中心設計)において、その基本となる部分です。



対象ユーザの理解、明確化にはユーザの理解、ユーザの表現、の2つの段階があります。
そして、そのそれぞれにおいていくつかの手法が存在します。
  • ユーザの理解
  -(グループ)インタビュー
  -アンケート調査
  -フィールド調査
  -観察法
  -タスク分析
  • ユーザの表現
  -ペルソナ
  -ユーザーシナリオ
  -ユーザーモデル
  -ユーザーロール、ユーザーゴール
  -ユースケース
  -UML(Universal Modeling Language)

ペルソナはユーザの表現のための手法です。
具体的にはユーザについて名前、性別、職業などの詳細なデータを仮定し、文章によるシナリオと顔写真等の画像で表現します。


そのプロセスは以下のようになります。

ペルソナの設定ペルソナの目標の設定ペルソナのシナリオの設定

ペルソナの設定:対象となる典型的なユーザの名前、性別、年齢、職業、顔写真といった基本情報、ユーザの家庭内や企業内などでの役割、ユーザの好み(ブランド・プレファレンス)などの設定
ペルソナの目標の設定:製品に求める機能ではなく、達成したい目標を設定
ペルソナのシナリオの設定:目標を達成しようとするときの典型的なシナリオ、頻度は高くないけど必須なシナリオの記述

そのようにして表現することで、設計や企画において対象ユーザを具体的に想像することができ、またグループで行う際には共通のユーザ像を持って、議論を進めることができるようになります。
山崎先生が前にいらっしゃったIBMにおいてはプロジェクトが様々な国籍、専門のメンバーで構成されるため、ユーザ像を共有するためにペルソナ手法によって対象ユーザを明確化する必要があったそうです。

ペルソナについてはそんな感じです。
僕はこの手法に沿ってユーザの理解や設定を行ったことはありませんが、これだけでもかなり骨が折れそうですね。
でも、実際ユーザ、特に自分とは違う層(年齢とか趣味)のユーザが求めるニーズや感じるリアリティを考えるというのはなかなか難しいですし、油断すると各場面で自分に都合の良いように加工してしまいがちな気はしますので、明確に表現するということは大事なのかもしれませんね。


リチャード・サッパーの話。

リチャード・サッパーのデザインについての方針というか意識していることとして“彫刻的なデザイン”と“飽きないための動きのあるデザイン”ということがあるらしい。

彫刻的なデザインとはいろんな角度から見たときの形状の変化やつながりや連続性といった要素を意識したデザインという意味です。ビデオの中でサッパーはヘンリー・ムーアの彫刻を熱心に見ていた。
それからサッパーは飽きないデザインというのを考えていたらしく、見ていて飽きないものとして自然があり、自然が飽きないのは常に変化している、動いているからということで動きのあるデザインを心がけたそうです。

かっこいいです。
最近のデザイン家電!みたいなのはかっこよくても買いたいとは思えないことが多いですけどこれは欲しいと思えます。








その他↓

ユーザに提供し得る価値には2つある。
それぞれ価値の投資量と顧客満足の関係。
アイデアや問題点の整理のプロセス。


















終わり。

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